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未来4月号掲載作


冷蔵庫をぎゅうぎゅうにして待つ母よ松前漬が細く糸を引く

溶けてゆく粉糖を「泣く」と言うことも冬に覚えた語彙のひとつで

自立できないところが好いと熱っぽく父はオートバイを語りぬ

「色事にうつつを抜かすな」などと言う吉のおみくじを小枝に結ぶ

三つ目の県境をまたぎ北へゆくブーツはつくづく冬の履き物

水のない田んぼ、寒風、分校があったんだよと君が指す丘

どちらの叔母も最初の息子は死んでいてここはいちご農家の仏間

東京へ戻る車中にメビウスの輪のごとくあり「おぼえてしりとり」



未来2016年4月号の掲載作です。
締切は1月だったので、夫と私それぞれの実家への帰省を詠んだ作品になっています。

我が家の目の前には大きな桜の木があるのですが、
夜に見る桜というのは本当に美しいですね。

数日前、残業して結構遅い時間に帰宅したのですが、
誰もいない静かな道で、街灯に照らされてぼうっと満開の桜が浮かび上がっていて、
生暖かい春の風に花びらがたくさん舞い散って、
足元に積もった花びらも砂浜のようにざざーっと動いて、
本当に圧巻でした。

なんというか、これは確かにかどかわされるよなぁと思いました。

その夜の強風でほとんど花は散ってしまって、
翌朝見たら早くも葉桜になってしまっていたので余計に前夜見た光景が神秘的に感じます。

虫が活発になってきたことを除けば本当にいい季節です。

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2016年04月09日(Sat) | 未分類 | TB(0) | CM(0)

未来2016年3月号

未来2016年3月号掲載作



車窓より見るブランコのみな閉鎖されおり冬はまだ長くある
                           
液晶にうるさく指を滑らせてパズルを解き続ける無表情

骨格に守られて臓腑あることを 地下鉄もまた結腸のようで

少年の甲高き声東京に過ごす思春期を私は知らず

kひとつこぼれ落ちれば企画から威嚇案になりメール流るる

ワーク・ライフ・バランス深夜ももいろの目薬が溶かすマスカラの黒

あなたの城に城主はおらず冬の夜の『急速モード』で炊く無洗米

「お互い様」で片付けられて翌朝のアイライナーのかすかな震え

あれは雲あれは可燃ごみ月曜の朝のカラスがまた散らかして






「されおり」とか「流るる」とか、超ドキドキしながら詠みました。
私にしてはかなりチャレンジ!

あと3月号では、「その日その日」というエッセイのコーナーでも書かせて頂きました。

昨年の新婚旅行のことを書いたのですが、改めて読むと恥ずかしいです。
なるべく浮かれずにフラットに書いたつもりなんだけどなぁ。
浮かれてるなぁ。

2016年03月03日(Thu) | 未分類 | TB(0) | CM(0)

未来2016年2月号

未来2016年2月号掲載作


人魚の靴

CHIARO(キアロ)とは輝きのこと脚を得た人魚が陸地に立った日のこと

日常は海から遠くパンプスを脱げば血豆の足の親指

ヘルスケア事業部に配属されてヘルスの渡邉さんと呼ばれる

打ちのめされてまた立ち上がる低反発マウスパッドにめり込む手首

あの子の体に私の顔を挿げたくてずっと眺めている昼休み

束縛はする方ばかり縛られるストッキングの小さな伝線

もう海に棲めない体を揺蕩わせバスソルトの壜ふんわり曇る

見たことはない祖父の船 美帆という名前をつけてくれてありがとう

さんずいの名前を子供に付けようと言えばあなたは笑って終わり




2月号の掲載歌をブログに載せたいと思っているうちに3月号が届いていました。いつもありがとうございます。
2月は短いなぁ。

「人魚の靴」は、昨年の角川短歌賞の予選通過作です。
応募した50首の中から10首を選んで未来に送ったところ、珂瀾さんに更に1首落とされて9首になってました。

でもこの連作で言いたいことは、この9首でおさまっちゃっているような気がします。
連作50首ぶち抜けるスタミナが欲しい。

2016年03月03日(Thu) | 未分類 | TB(0) | CM(0)

未来2016年1月号

未来2016年1月号掲載

微かにしかし確かに灯るものがあるきみの煙草に火を貸すときに

曖昧が嫌いなきみが押し黙り饒舌すぎる無言が続く

長い腕 きみが空気を斬るときの全神経のしびれのことを

英単語帳に西日は強く射し世界の余白が全て橙色(オレンジ)

どんな季節も戻りはせずに早春のきみはいつでも青年のまま





1月には未来の新年会というものがありました。
事前に1月号に掲載の作品から一首選んで提出すると、選者の方が評をつけてくれます。

私は連作の一首目、『微かにしかし~』の歌を提出しました。
評者は加藤治郎さんと大島史洋さん。ありがとうございました。

この連作を詠んだ頃、ちょうどBL俳句誌『庫内灯』に寄稿したこともあって、二次創作的な短歌(俳句)の作り方というか、
「特定のキャラクターを設定して詠む」ということに興味があり、チャレンジしたい!と思い、やってみました。

今回は「きみ」に私がかつて恋をしていた相手(王子様たちが活躍する某テニス漫画の)を設定したのですが、結果としていまいち成功していないような…。

でもやっぱり「好き!」が原動力だと創作意欲が湧いてくるので、面白かったです。
普段はどちらかというと、怒りや悲しみで詠むことが多いほうなので、これはこれで模索していきたいと思いました。

今年もがんばるぞ~。





2016年01月28日(Thu) | 未分類 | TB(0) | CM(0)

あさイチの話。

すでにちょっと今更感ありますが、今朝のあさイチの話を。

「NHKの情報番組で、いま若者に短歌が人気!という特集をするのだけど、
担当の方が『都内在住で短歌を詠んでいる若い女性』を探している。
倉野さんのことが思い浮かんだのですが、いかがでしょうか。」

という旨のメールをいただいて、私にできることでしたらご協力しますとお返事したのがそもそもはじまり。

その後、担当の方から直接連絡があり、渋谷のカフェに会いに行った。
短歌歴は何年くらいか、何がきっかけで始めたのか、
生活に変化はあったか、などを聞かれ、
そのときに短歌がきっかけで夫と知り合ったと話したらものすごく反応が良く、
ぜひそのお話を紹介しましょう!とのことだった。
(ちなみに担当者さんは若い女性の方だった)

今回のテレビ取材、私は未来短歌会の人間としてではなく、
ましてや歌人としてでもなく、
『短歌がきっかけで結婚した今時めずらしいカップル』として紹介される流れでした。

私の周りにはそういう夫婦はいっぱいいるし、
製作者さん側との温度差になんだかなぁと思うことも多かったけど、
それでも引き受けたのは私の短歌がテレビで紹介されるかも、という期待があったから。
今となってはその下心がとてもとても恥ずかしいです。

私は『短歌がきっかけで結婚した今時めずらしいカップル』としてじゃなくて、
これからも真摯に歌を詠みつづけて、しかるべきときに『歌人』として注目されたい。

結局のところ、私と夫がしゃべったことも渡した写真も二人の短歌もまるっとカットで何も映らなかったわけで、
それはそれで良かったんだと思う。

詳細は省きますが歌会のほうの取材もなかなか波乱万丈だったので…。
いろいろ引っくるめて、いい経験になったと言えばいいのかなぁ。


それとこれは私が書かないと、誰も知り得ないことだから、
最後にこれだけ書きますね。

担当者さんとディレクターさんが我が家に取材に来る前日、
夫は本屋で枡野浩一さんの「ショートソング」を買って帰ってきた。

取材の当日、夫は「これが、僕が短歌を始めるきっかけになった本です」と
昨日買ったばかりのショートソングをディレクターさんに手渡して、
「これはあなたに差し上げます」と言った。


夫が渡したショートソングを、あのディレクターさんが、
あるいは担当者さんが、少しでも読んでくれたらいいなと思っています。

2015年12月22日(Tue) | 未分類 | TB(0) | CM(0)
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